牛革の白なめしのこの工芸品。
「姫路革・姫革」と呼ばれているます。
古くは4・5世紀から作られていたそうで、起源は韓国にあるそうです。
市川という川でなめされ、型押しし、文様に色づけされたこの地だけの伝統工芸です。
質が強靭で、色鮮やかなこの「ひめ革」は、戦国時代には鎧や甲冑の一部に、
また、平安な時代には庶民の装飾用品として愛用されてきました。
型押しの板には古くから受け継がれているものもあり、
日本人の美意識の高さを見ることが出来ます。
文様には「勝利」や「栄光」など験(げん)を担ぐ意味を含んだものも
多く、美しさの中の奥深さにも感嘆しました。
こちらの文様は「月桂樹の葉」。
ご存知の方も多いでしょうが、ギリシャ・ローマ時代のシンボル的文様です。
オリンピックの金メダリストの頭にいつもみられるように、
「勝利」のメッセージ性が強くあります。
「勝ち虫」ことトンボ柄あり、日本の季節を模したものあり、
新しいものありで、見ているだけでも時間があっという間に経ってしまいます。
世界的にも珍しく、美しいこの姫革をもっと多くの方に知っていただきたいと、
改めて強く思いました。
(*「姫路革細工」の欄をご覧下さい。)